「この消費者金融、あの銀行の子会社」現代のキャッシング業界の実情

銀行とキャッシングとの相違点は、その金利と審査の厳しさにあると言えましょう。銀行から融資を受ける際は、キャッシングと比較して、概して金利は低めに設定されています。しかし、銀行から融資を受ける場合、担保（不動産などの物的担保と、保証人と言った人的担保）の用意が必要となります。

キャッシング申し込み時にも、厳正な審査が行われますが、銀行の審査は、さらに厳正を喫したものとなり、審査結果が出るまでの時間も数日を要します。ただし、融資限度額は高く、高額な資金が必要な場合は、銀行から融資を受けるのが良いでしょう。

一方で、キャッシング業界では、大手消費者金融業者が、銀行を筆頭株主に迎え入れ、銀行の傘下に入っている場合が多いのが現状です。「モビット」は三菱東京ＵＦＪ銀行系、「アコム」は三菱フィナンシャル・グループ、「レイク」と「ノーローン」は新生銀行グループと、大手消費者業者のほとんどが、銀行系を名乗っています。

その背景には、本来、比較的小口の融資には「不得手」だった銀行が、消費者金融業者を傘下に収める事で、比較的小口の融資を傘下の消費者金融業者に任せられ、融資の間口を広げる事が出来ると言う銀行側のメリットと、大手銀行の傘下に入る事で、経営の安定化を図る事が可能となり、また、「サラ金」と言った「暗い」イメージを払拭出来ると言う、消費者金融業者サイドのメリットが一致したと言う事情があります。

融資を受ける側としても、銀行系の消費者金融業者からの借り入れの方が安心感があります。銀行系ではない中堅業者も、堅実に営業しているのですが、イメージ面（ＴＶＣＦでの露出度の高さなど）で、融資を受ける際、まず、銀行系の消費者金融業者へ申し込む利用者が多い事が、現代のキャッシングの実情と言えましょう。